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はじめに
現在,アメリカが主導する月面探査計画「アルテミス計画」が本格的に始動するなど,宇宙開発は日に日に加速しています[1].月面での食料として,JAXAはイネやレタスなど8種類の作物を選定し,月面での栽培を構想していますが,キノコはそれら8種類の作物に含まれないビタミンDを含むことから,新たな食糧の候補として検討が進められています[2].また,それだけでなくキノコを構成する菌糸はその強度や耐火性から,建築材料としての活用も考えられています[3].このように,キノコは宇宙資源としての価値が見込まれているため,月面栽培に適した菌種の研究が進められています.
現状の問題点
しかしながら,キノコの研究には培地の作成や,菌の移動など研究者が手作業で行わなければならない作業が多くあります.これにより,多くの時間や手間がかかるだけでなく,人の皮脂が混入することによる実験失敗も発生し,研究活動が妨げられています.
解決策
本プロジェクトでは,これまでのプロジェクトで培ったノウハウを活かし,ロボットアームにより実験を自動化することで,この課題を解決します.
検証中
現在、ロボットアームにより菌を移動する作業の自動化を進めています.また,ツールチェンジャーを作成し,自動で手先部品を付け替えられるように工夫しています.
今後の展望
今後,作成したツールチェンジャーを活用し,自動化可能な実験を増やしていきたいと考えています.これにより,月面栽培のための菌種の研究を強力に後押しします.