有機合成反応の仕込み方

実験操作解説

有機合成の反応の仕込み方まとめ

有機合成において、反応を確実に成功させるための手順をまとめました。

事前準備:反応情報の収集

反応について情報収集を行う

サイファインダーなどで合成したいものを検索して最適な反応条件を検索します。最適な反応条件を見つける際は以下のポイントに気を付けます。

  • 合成したい化合物をサイファインダーなどで検索し、最適な反応条件を見つけます。
  • 高収率、安価な試薬、無理のない反応時間を重視して選びます。
  • 試薬をIASO等で検索し、研究室にあるか確認します。なければ注文します。
IASOでの試薬の検索

必要な情報は以下の通りです。

  • 分子量(試薬をどのくらい使用するか計算するのに必要)
  • SDS(それが何に不安定なのか調べます。量り取る場所が空気中でいいのか、グローブバックを使わないといけないのか)

合成

1.実験器具の準備

スケールによって試験管を使用したり、ナスフラスコを使用したりと適宜変更が必要ですが以下の通りです。

  • 二口ナス
  • 玉栓
  • 三方コック
  • スターラーチップ
  • (薬さじ)
  • (シリンジ)

実験器具が汚れていないことを確認して使用します。

2.ナスフラスコと試薬の準備

ナスフラスコに合ったサイズのスターラーチップを入れます。スターラーから離して、ナスフラスコを横に倒して滑らせるように入れます。ナスフラスコが割れないように。

大気下で開放していい試薬は、電子天秤などで量り取って入れます。ナスフラスコに入れる際は、口につかないように注意します。電子天秤を使った後は、粉が周りにとんでいる可能性があるのでキムワイプでまんべんなく吹きましょう。

3.窒素置換

大気下で安定な試薬を入れた後は、グリースを塗った三方コックと玉栓をして、窒素チューブとポンプをつなぎます。

リースを塗る際は、空気の通り道にグリースがつかないように注意します。

まずポンプでナスフラスコを真空にします。ガラス器具の接続部分を温め、水分を飛ばします。窒素を入れます。窒素を入れるときは、シュレンクにたまっている液体が逆流しないようにゆっくりと入れます。

この操作を全部で三回繰り返します。三回目にポンプで引いた後は、ガラス器具の接続部分にシールテープを巻いて密封します。

 

4.グローブバックを使用した試薬の投入

続いて大気下で開けられない試薬の投入を行います。グローブバック中で開けて、窒素置換したシリンジで量り取ります。

ナスフラスコに入れる際は、窒素を多くふかした状態で三方コックを開けます。シリンジを入れて試薬を投入します。針先が液体に触れないようにします。

5.反応時間まで待つ

反応開始時刻をノートに書いておき、反応時間が過ぎるまで放置します。窒素の量を減らしておきます。

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