有機合成をできるだけ効率化できるポイントを紹介します。これらの方法を試すことで、実験の進行がスムーズになり、時間の節約につながるでしょう。
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1.抽出ショートカット
水層に水、有機層に塩化メチレンなどを使用した場合、水よりも重い塩化メチレンが下に来ます。通常、抽出漏斗から有機層をビーカーに移し、その後再度抽出漏斗に戻す作業が必要ですが、これによって有機層の溶媒が増えてしまうことがあります。抽出漏斗を2本使って有機層をもう一つの分液漏斗で受けることで、スムーズに抽出を行うことができます。
2.空気抜きのコツ
分液漏斗を振るときに空気抜きをするために、コックを開けて空気を抜いて、また少し降ったらまたコックを開けて空気を抜きます。コックを上にして、コックを開けたまま軽く振ることで空気を効率的に抜くことができます。
3.蒸留ショートカット
蒸留で予備乾燥をした後に、ろ紙を通してフラスコに移しますが、フラスコの種類によってはロートがまっすぐにならないためにろ過に時間がかかってしまいます。一度ほかの容器に移してからフラスコに移すとスムーズです。
4.予備乾燥ショートカット
通常、ビーカーに移して乾燥剤と撹拌子を入れて一日攪拌しますが、試薬瓶に直接撹拌子と乾燥剤を入れて攪拌するとビーカーの手間を省くことができます。
5.シリンジ計り取りショートカット
固体を溶液に溶かす必要があるときに、バイアルに量り取った後に溶液を加えます。量り取った固体をシリンジに入れて、バイアルに入れた溶液をそのシリンジでとることで、バイアルの残りも気にせずにとることができます。