再結晶の方法 – 純度向上のための実験手順

実験操作解説

再結晶は、生成物の純度を向上させるために行われる一般的な精製方法です。この記事では、再結晶の基本的な手順を解説します。

1.適切な溶媒の選択

    • 生成物が溶ける、不純物が溶けにくい溶媒を選びます。
    • 通常、極性の異なる溶媒を混合することで、適切な溶解度を得ることができます。

貧溶媒はヘキサンを使用するのがおすすめです。

 2.生成物の溶解

      • 生成物を選択した溶媒に加え、熱して溶解させます。なるべく少ない量の溶媒を使用しましょう。
      • 不純物が完全に溶けない場合、熱濾過を行って取り除きます。

貧溶媒(ヘキサン)と溶媒(ヘキサンよりも沸点の低いジクロロメタンのような溶媒)をフラスコに入れて、エバポをします。先に沸点の低いジクロロメタンが蒸発することで限界まで貧溶媒の割合を増やすことができます。フラスコに固体が析出した瞬間にエバポを止めて、10分ほど放置することできれいに再結晶することができます。

冷却による結晶化

    • 溶液を室温まで冷却し、結晶化を促進します。さらに冷却を進めるため、氷浴や冷蔵庫を使用することもあります。
    • 結晶化が進まない場合は、溶液に擦り棒や種結晶を入れて、結晶成長を促すことができます。

結晶の収集

    • 結晶化した生成物を濾過紙を使って取り出します。
    • 収集した結晶を空気中や真空下で乾燥させて、残留溶媒を除去します。

収率と純度の評価

    • 乾燥させた結晶の重さを測定し、再結晶の収率を求めます。
    • 純度の評価には、薄層クロマトグラフィーや核磁気共鳴 (NMR) 分光法などの分析方法を使用します。

再結晶を行うことで、生成物の純度が向上し、後続の反応や分析に適したサンプルが得られます。

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